ちょっと一息〜健康コラム
ちょっと一息〜健康コラム
文書作成日:2022/11/05


 顔や腕、脚などに突然あらわれるイボ。そのままでは完治しづらく、困っている方も多いのではないでしょうか。今回はイボの正体を探りながら、対策や治療法についてまとめています。

 イボの種類は、主に2つあります。ひとつはウイルス感染でできる「ウイルス性イボ」で、免疫力が下がるとなりやすく、人にうつる可能性があります。もうひとつは、加齢や紫外線が原因の「老人性イボ」です。中年期からあらわれやすく、自然治癒は難しいといわれています。

(1)ウイルス性イボの特徴

 ウイルス性によるイボの中でも、代表的なものをご紹介します。

  • 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
    ヒロパピローマウイルスが原因で起こるもので、イボの表面はサラサラで、硬く突起しているのが特徴。手足にできやすく、一般的なイボの半数がこのタイプです。
  • 青年性扁平疣贅(せいねんへんぺいゆうぜい)
    ヒロパピローマウイルスが原因で起こるもので、イボは平らで薄い褐色を帯びています。顔や手などにできやすく、若い世代にできやすいイボです。
  • 伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)/水イボ
    ポックスウイルスが原因によるもので、イボ自体は柔らかく白い塊のような状態。いわゆる水イボといわれ、全身にできやすく、幼い子供に多くみられます。

(2)ウイルス性イボの対処法

 ウイルス性イボの場合は、疲労や加齢など免疫力の低下が原因のため、免疫力を高めることで自然治癒することもあります。また、イボに手で触れてしまうと、菌が入ったり刺激になったりするので、なるべく触らないようにしましょう。

(1)老人性イボの特徴

 老人性イボは、肌老化が表面化する中年以降にあらわれます。

  • 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)/老人性イボ
    長年の紫外線ダメージや皮膚の老化が原因で、老人性イボとも呼ばれています。黒褐色で硬く、顔、手、首にあらわれ、中年以降にできやすくなります。シミがそのまま老人性イボになることもあります。
  • 軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)/首イボ、中年イボ
    摩擦や加齢などが原因で、首イボ、中年イボともいわれるもの。中年以降にあらわれやすく、皮膚が薄い部分にできやすいのが特徴です。

(2)老人性イボの対処法

 老人性イボを防ぐには、日焼け対策を徹底する必要があります。皮膚の新陳代謝が低下すると角質がうまく剥がれず、蓄積し、シミやイボになります。洗顔やスキンケアなどのお手入れをしっかり行うことが大切です。

 イボの市販薬としては、サリチル酸を主成分とする塗り薬が販売されています。イボの角質が柔らかくなり、ポロッととれることもあります。病院(皮膚科・形成外科)での治療は、塗り薬の他、液体窒素冷結法が用いられます。液体窒素を患部に当て、表面の細胞ごと破壊する治療法となります。

 イボは放っておくと大きくなったり、硬くなったりするため、早めに治療するようにしましょう。繰り返しできる場合は、接触や紫外線など根本的な原因を探り、改善する必要があります。

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